番犬マボが気の向いた時に寄稿するというブログ「まぼ日記」。
年もかわり、酒の仕込みも活気づいてきた今日この頃。
だんだん酒の搾り作業も日に日に増えてきました。
ということで、今回は酒粕(漬物用)の製造方法をご紹介しましょう。
業界の方なら見慣れた光景かもしれませんが、知らない方も結構
いらっしゃるとのこと。
酒を搾った直後は、板状となっています。
といっても、詳しく説明すれば粕が板状になる搾り機で搾っているから
でして、搾る機械によって板状、豆腐のおからのようなポロポロ状のもの、
しっとりとしたもの等があります。
(今回は一般的な板状のもので説明)
※できたてホヤホヤの板粕。乳白色でホワイトチョコのよう。
この搾ったばかりの板粕を大きな容器に敷き詰め、上から人間が
ドスドス踏み込むわけです。
すると板粕の隙間がなくなり粘土のように固く一つの塊のようになり、
それを密閉夏くらいになるまで放っておくと自然とペースト状になります。
※衛生面に気をつけてとにかく“踏み込”む。地味だが結構大変な作業。この工程を怠ると空気が残ってしまい、酒粕の価値が下がってしまうことも。
はい、たったこれだけ!
ペースト状になった酒粕は文字通り「踏み込み粕」と言われています。
他の呼び方では「奈良粕」「練り粕」と言うところもあるでしょうか。
板粕は一般的に甘酒や粕汁、そのままオーブントースターで焦げ目が
付くまで焼いて食べるのが一般的。
踏み込み粕は野菜や魚の漬物が一般的で、美味です。
※当蔵から販売している「踏み込み粕」。次回の発売は夏頃となります。
踏み込み粕は簡単そうにみえて、踏み込む人にとってはとても大変な作業でして、
当蔵ではほんの前までは深いタンクに粕を入れて踏み込んでいました。
出来上がった踏み込み粕を掘り出すのが何と言っても重労働で、雪かきの
何倍も大変です(踏み込み粕はとても重い!)。
このような容器だと、作業する側も本当に楽ですね~。。。